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KAMIKATZについて

ごみを出さない社会へ

徳島県中部の山岳地帯に位置する上勝町。町のほとんどが標高700m以上の山地に覆われていることから、その急な斜面には美しい棚田や段々畑の風景をみることができます。雲早山と高丸山を水源とする勝浦川の上流に位置しており、この川は上勝町から勝浦町、小松島市、徳島市を流れて紀伊水道に注ぎます。

上勝町は四国でもっとも人口の少ない町(1457人2022年1月現在)として知られる一方、2003年に自治体として日本で初めて『ゼロ・ウェイスト宣言』を行ったことで世界から注目を集めています。ゼロ・ウェイスト=ごみを出さない社会を目指すことで、ごみをゼロにすることが上勝町の目指す未来の姿です。上勝町はごみを燃やさず、収集を行わず、住民各自が町営の「ごみステーション」に自ら持ち寄って13種45種類に分別することで再資源化を進めています。生ごみは各家庭でコンポストを利用して堆肥化するなど、そのリサイクル率は2020年に80%を超えました。

上勝ゼロ・ウェイストセンター「WHY」内の「くるくるショップ」はいわゆるセカンドハンドショップで、住民から提供された日用品を無償で提供しています。
上勝ゼロ・ウェイストセンター「WHY」内のごみ分別所、ストックヤードの様子。45種に分類され、ごみをごみとするのではなく再資源化を図っている。

ごみゼロの町に生まれたブルワリー

私たちは上勝町の『ゼロ・ウェイスト』の活動に共感し、この町の未来とともにある小さなブルワリーを2015年5月に開業しました。上勝町の入り口ともいえる新坂本トンネルを抜けると、谷向かいの丘に立つ赤い建物が見えてきます。これが醸造所、レストラン、ショップ、宿泊施設を備えた〈RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store〉です。

建物の設計は中村拓志&NAP建築設計事務所が手がけました。上勝町の木材を使い、町内で解体された民家で使われていた建具を再利用した建物は、持続可能な社会のあり方を建築で表現したものです。いくつもの窓を組み合わせた印象的な建物はサスティナビリティを実現する試みとして大きな特徴となっています。右に醸造所、左にレストランとショップを設けており、現在はもう一箇所の醸造所とともにオリジナルのクラフトビールを造りつづけています。

〈RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store〉では、上勝の棚田米、上勝晩茶、洗剤などの日用品の量り売り販売を行っています。またレストランでは上勝町の食材を中心としたバーベキューやランチを楽しんでいただけます。

まさにマイクロブルワリーという表現がぴったりくるほどに小さな醸造所から始まりました。ここでは限定フレーバーなどの生産拠点として使用しています。
テラスでは、キャンピングカーとアウトドアで入浴を楽しめるバスタブを併設した〈KAMIKATZ Rolling Room〉が。グランピングをしながらビールを楽しんでいただけます。

現在私たちのクラフトビールはスタンダードフレーバー5種に加え、シーズナルアイテムや限定フレーバーも展開しています。個性豊かな味わいが魅力のクラフトビールですが、私たちもまた町の特産品である柑橘「柚香(ゆこう)」や乳酸菌発酵の「上勝晩茶」などを定番のフレーバーに使います。特に「柚香」は果汁を絞った後の廃棄対象になる果皮を使用しており、地域性を打ち出すとともに無駄のない生産を目指す点も特徴です。

また2016年には東京・東麻布にビアレストラン〈RISE & WIN Brewing Co. KAMIKATZ TAPROOM〉を開業し、当社のクラフトビールをドラフトで楽しめるのはもちろん、徳島県産の野菜やクラフトビールに合うBBQ料理を用意しています。

さらに2017年には二つ目の醸造施設として〈KAMIKATZ STONEWALL HILL CRAFT & SCIENCE〉が誕生しました。こちらは製材所跡地をリノベーションしたもので、左手に建つ棟はイギリスの建築家集団であるアセンブルが徳島の伝統的な染料である藍を塗料に用いて設計したものです。

この施設に新しい醸造機器を導入したことで、これまでの生産量が飛躍的に向上しました。また私たちの母体である臨床検査・食品衛生コンサルティング会社「スペック」の技術で衛生管理に力を入れ、雑味のないクラフトビールの美味しさを追求しています。

ゼロ・ウェイストの取り組み

私たちは上勝町の「ゼロ・ウェイスト」の活動に共感し、ブルワリーを設立しました。ゼロ・ウェイストとは、無駄、浪費、ごみをなくすこと。つまりごみを生み出さない社会の形成こそが上勝町の目指すところです。私たちもまた、循環型の生産、流通、販売のあり方を目指し、開業時より「リデュース・リユース・リサイクル」に取り組みながらビール造りを続けています。

過剰にとれてしまった果実を使ったり、絞った後の皮を使ったりゼロ・ウェイスト目線で醸造している。
醸造の過程で大量に出るモルトかすを廃棄することなく、液肥として再活用することで田畑での作物の育成を促し、新しい循環の仕組みに繋がる。

現在、「サステナ・ブルワリー」を目指し、サーキュラーエコノミーに挑戦しています。ビール醸造の過程で生まれる大量のモルトかすや高濃度の廃液(酵母やホップの残滓など)の処理は多くのブルワリーが抱える悩みです。私たちはモルトかすを微生物で分解し、廃液ともどもビール原料由来の液体肥料にする取り組みを進めています。この液肥はすでに作物の甘みが増す、害虫を寄せ付けにくくなるといった効果がでており、町内で農作業を行うみなさんに無償で配布する取り組みを行っています。

さらに私たちは上勝町での一貫した生産を目指し、ビールの主原料である麦を育て始めました。麦畑でも液肥を用い、そこで育った麦がふたたびビールになる。まさにゼロ・ウェイストが目指す循環型社会を実現する資源循環システム「reRise(リライズ)」プロジェクトをスタートし、上勝町に根ざしたビールづくりに邁進したいと考えています。

2020年5月30日、上勝町のシンボルとして「上勝ゼロ・ウェイストセンター WHY」が開業しました。私たちは、このプロジェクトの企画・提案から立ち上げに携わりました。

上空から見ると「?」の形をしたユニークな施設ですが、これには意味があります。上部のカーブ部分は45種類の分別を行うごみの回収場所で、風通しを良くするとともに、町民と見学者の動線を分ける仕組みです。中部はセミナールームなど、下部の円形の建物はホテルを設け、町外からの視察者を受け入れる仕組みを採用しています。建物の窓には〈RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store〉同様、かつて町の民家で使われていた建具を再利用しました。構造材も上勝町で育った木材を用いています。ここでは町民のみなさんはもとより、町外からいらした方々にゼロ・ウェイストの仕組みを伝えています。

上勝ゼロ・ウェイストセンター「WHY」内の「くるくるショップ」。分類のアドバイスや町外から訪れた見学者を案内するスタッフが「WHY」に常駐しています。
円形のユニークなホテルもまた、町内の材をふんだんに用いて建設され、家具なども再利用を中心に揃えました。美しい山並みを望むデッキが自慢です。
ゼロ・ウェイストアクションホテル
HOTEL WHY
〒771-4501 徳島県勝浦郡上勝町福原下日浦7-2
TEL:080-2989-1533(受付時間:9:00~17:00)